太陽光発電へのとびらのとびら

太陽光発電、太陽光発電所、税制上の扱いなど学んだことをメモしていきます。

東京タワーのふもとに新たな「環境」スポット登場

太陽光発電で蓄電して、無料でスマートフォンを充電できるソーラー充電スタンド「シティチャージ」が、東京都内で稼働を開始しました。太陽光によるクリーンなエネルギーを活用する充電スタンドは世界中で注目を集めていますが、日本で稼働したのは初めてだということです。

f:id:taiyoko_tobira:20160502171935j:plain

 

今回設置されるソーラー充電スタンド「シティチャージ」は、東京都と東京環境公社が設置するもので、機器の開発や設置はシャープが担当しています。2015年7月に東京都内の東京タワーと虎ノ門ヒルズへの設置の発表がありましたが、2015年10月7日には東京タワーで除幕式を行って、稼働を開始しました。

 

ソーラー充電スタンドは、太陽光パネルが発電する電気でスマートフォンなどを手軽に充電できます。無料で利用可能な充電設備ですからたくさんの人の利用が見込まれます。もっとも近年急増した外国人旅行者からの要望が大きいということです。

今回設置されるソーラー充電スタンド「シティチャージ」は、太陽光パネルと蓄電池、LED照明、充電テーブルで構成されたものです。太陽光パネルで発電した電気を蓄電池に蓄電、その電気をスマートフォンなどの充電や夜間のLED照明に使用します。

f:id:taiyoko_tobira:20160502172042j:plain

 

シティチャージは高さが約3.8メートルで、パネルの幅が約2.5メートル、奥行きは37センチメートルとなっています。重さは、本体が約270キログラムですが、安全に配慮して秒速60メートルの風を受けても耐えられる設計だとしています。

 

太陽光発電のパネルの発電容量は95Wで、蓄電池には38Ah(アンペア時)の鉛蓄電池を3個搭載しています。フル充電時で日射がない場合、60人が15分ずつ充電を行うことが可能だということです。またLED照明を搭載しているので、蓄電池の電力を使って夜間照明として活用可能です。

 

<東京をスマートシティへ>

設置に際し、東京都知事舛添要一氏は主に2つの点で東京都にとって意味があると強調しています。

1つ目が環境面でのシンボルとしての役割です。「現在はベルリンやロンドン、パリ、ニューヨークなど世界的に環境先進都市を目指す競争が生まれています。その中で東京都は、水素社会の実現や省エネ化、再生可能エネルギーの使用比率を現在の6%から2024年に20%に引き上げるなど、日本政府よりも高い目標を持って取り組んでいる。シティチャージはこれらのスマートシティ実現への取り組みの象徴的なものになり得る」と舛添氏は語るのです。

 

もう1つが観光面での「おもてなし」だということです。「日本全体を見た時に2015年は約1900万人の外国人旅行者が訪れる見込みだとしており、これは2020年までに2千万人とした政府目標を前倒しで達成するペースだ。しかし、観光を日本の産業としていくことを考えれば日本への旅行者はまだまだ少ない。例えばマレーシアへの旅行者は年間2700万人となっており、日本を上回っている。その意味で眠っている環境資源を掘り起こせばもっと成長できる。その観光面での『おもてなし』を体現する意味でシティチャージには注目している」と舛添氏は語っているのです。

 

シティチャージの充電スタンドは、LightningコネクタやmicroUSB、ドッグコネクタ、フィーチャフォン用外部接続端子、USBなど、国内に流通するほぼ全ての携帯電話に対応した接続端子を用意しています。ピクトグラムによって分かりやすい表示も行い、外国人旅行者への「おもてなし」を体現しています。

今回シティチャージの開発を行ったシャープでは「太陽電池、蓄電池、LED照明、携帯電話、スマートフォンなどを全て開発しているメーカーであることから参加することができた。太陽光発電、創エネ、畜エネ、省エネへの貢献をさらに進めていく」としています。

f:id:taiyoko_tobira:20160502172111j:plain